介護うつとは、身内の介護を引き受けている人に現れる身体的・精神的な症状のことをいいます。最初は自学症状を伴わないため、気づいたときには悪化していることも多いようです。介護うつの具体的な症状には、食欲不振や睡眠障害、疲労感などさまざまな症状が挙げられます。
食欲不振は、介護うつの代表的な症状です。いつもは美味しく食べていた食事を食べたくない、または食べられないような食欲不振状態に陥ります。この状態が続くと体重減少や体力低下などの症状が現れるようになります。睡眠障害も、介護うつの症状で多く見られる症状の一つです。介護で疲れが溜まっているにも関わらず、就寝時間になっても入眠が困難になったり、入眠後に何度も目が覚めてしまったりと、不眠の症状が現れ始めます。
疲労感は、何をしても疲れやすくなり、頭痛や肩こりなどが慢性化していく症状です。今までは楽しめていたことでも億劫に感じるようになり、気力や表情なども低下していきます。食欲不振や睡眠障害、疲労感などの介護うつの症状は、なんとなく自覚していてもそれを介護うつだと認めることに否定的な人もいます。完全に一人で孤立せず、職場や親戚、近隣の人など身近な相手に身内の介護をしていることを打ち明けておくことが大切です。そうすると、周囲の人が症状に気づいて指摘してくれることもあります。
介護は身体的・精神的に負荷のかかる作業です。介護の知識と技術を備えたプロの介護士でも、こうした症状を感じる人がいるほどです。一人で抱え込まず、身内の介護を始めて以来ここで紹介した症状に少しでも当てはまる症状が出るようになった場合は要注意です。